COLUMN弁護士コラム

2019.10.29

離婚事件の受任の在り方

離婚調停は、それまで一緒に暮らしてお互いに支え合い、子どもをもうけて育んできた夫婦が何らかの理由で戸籍上も事実上も別々の道を歩むための合意とその条件をとり決めるための法律で定められた手続きである。
夫婦間で任意に離婚の合意と条件が取り決められるなら家庭裁判所で調停をする必要がない。任意の話合いによる離婚の合意が出来ないから、調停が必要になる。ここに弁護士が離婚調停に関与する一つの理由がある。
 

当然の事ながら、離婚調停においては、妻側と夫側の意向が大きく対立する事が予想される。
ただ、離婚調停が不成立となり離婚訴訟になったことのある経験したことのある弁護士は、離婚訴訟になった時の当事者の負担の大きさを実感していることから、可能な限り離婚訴訟を避けて離婚調停の話合いによる解決を図ろうとする。
とはいえ、当事者の利害が対立しているのであるから、その調停は、難航する事が予想される。この意味において代理人弁護士の力量が問題となる。
最近、経験した事であるが、熟年離婚が争われたケースで離婚に消極的な夫が何とか離婚に同意したのに、財産分与について妻側の代理人弁護士が夫側の主張を無視して妻側の主張だけでの財産分与を主張し、夫側が応じなければ離婚調停を不成立として離婚訴訟をすると主張した。
この若い経験の浅い弁護士は、訴訟を行えば裁判官が夫側の財産分与についての主張を無視して財産分与についての判断をするとでも考えているのだろうか。また、離婚訴訟になった時の依頼者の負担を考慮しないのだろうか。
 

弁護士は、人間社会のトラブルに入り込んでそのトラプルを収める事を仕事としている。自分の事しか見えない人間が本当に人間社会のトラブルを適正に解決できるかどうかは、極めて疑問である。
最近、しばしば自分の事しか見えないと思われる弁護士が見受けられるようである。

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